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「あ,予鈴!じゃ,また後でね。」
「じゃあな。」
「授業中寝るなよ?」
「潤じゃないんだから。」
最後の潤の失礼な言葉に言い返して,席に戻っていく三人を見送る。
はぁ。
何だか話していただけなのに,どっと疲れた気がする。
結局何の事を話していたのか全く分からず仕舞いだ。
でも詳しく話したくない感じだったしなぁ。
恋愛の話だっけ?
…もしかして…好きな,人の,話?
え,あの二人好きな人いるの!?
潤はまぁ…分かるけど…孝宏も,いるんだ…。
おもわず廊下側の一番後ろの席に目をやる。
うん,まぁ…カッコイイしね…いない方がおかしいか。
今まで浮いた話の一つもないのが,不思議だったのかもしれない。
それは潤も同じだけど。
そういえば,理恵は二人の好きな人を知ってる感じだったなぁ。
…なんだろ,モヤモヤする。
胸の真ん中に何とも言えない気持ちがある気がする。
何だろう,この感じは。
…そっか,分かった。
三人は知ってるのに私だけ分からないからこんなモヤモヤするんだ。
そうだ,そうに違いない。
そう,自分の中で結論づけたと同時に二度目のチャイムが鳴り響いた…。
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