第1章 ―潤と孝宏―

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母の趣味がガーデニングな為,この環境を一番気に入っているのは彼女だったりする。 「へ~…ここがお前の家か。」 「一軒家なんてすげーな!俺ん家なんてアパートだぜ?」 冷静な孝宏と興奮しまくりの潤。 …そんなはしゃぐ事でもないと思うけど。 「そ?…じゃ,送ってくれてありがとうね。」 「あ?あぁ,気にすんなって。」 「オレらがしたくてしたんだから。じゃ,また明日な。」 「んじゃな!」 「うん。気をつけてね。」 いつまでも大きく手を振る潤に,私も振り返す。 と,孝宏が潤の頭を軽く叩いて何か言っているのが見えた。 大方「いつまで振ってんだ」とでも言ってるんだろう。 思わずそんなやり取りにクスッと笑ってしまう。 二人がようやく見えなくなった所で私は家に入った。 .
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