翼、降り立つの巻。

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辺りをキョロキョロと見回してみると、ふと目についた団子屋の人に聞いてみようと思った。 「あの...」 「へい、らっしゃい!」 オレの声を遮ってとてつもなくデカイ声が飛んできた。 「なににしやすか?」 ここの主人だろか? 元気がありすぎるくらいなおっさんだなこの人。 「あの、ここって何処ですか?」 「は?なにいってんだ?」 まぁそうだろう。 実際ここが何処かわからずにこの場所にいるなんて変な奴しかいないだろうから。 「えっと、気が付いたら森の中にいて一本道をあるいてここに来たんですが、何処だか分からず帰り道も分からないんですよ。」 「ほぉー、しっかしおめぇさんは変わった着物を着ているなぁ?旅の人かい?どっから来た?」 話し聞いてないなこのおっさん。 「いや、あの...だからここはどこなんですか?」 「はぁ...いいか?ここはなぁ竜の国、伊達政宗様が統治なさっている国だ。」 『伊達政宗』 このことばを聞いてオレは耳を疑った。 だがなんど聞いても同じだった。 ここは伊達政宗が統治する国、竜の国。 オレはもうあまりの驚きに言葉が出なかった。
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