。

「なぜあなたは死ぬの?」

「それは死んだ後、どこに逝くのか知るためさ」

「なぜそんな事が知りたいの?」

「逆になぜ君は知りたくないの?」

「え?それは怖いから。死んだら何もかも終わるのよ」

「なぜ君はそんな事知ってるの?」

「だってみんながそう言うもの」

「みんなってまだ生きてる人達だろ?だったら死んだ後、何が待っているか知るはずがない」

「それはそうだけど。やっぱり私は死ぬのは怖いわ」

「なぜ?」

「だって何が待ち受けているか分からないって事はそれが苦しみかもしれないもの」

「いや分からないよ。喜びかもしれない。楽しさかもしれないよ」

「なぜあなたは死についてそんなにポジティブなの?」

「だって、やってもない事を怖がってどうするんだい?」

「あなたってすごいのね」

「そう?あっもうすぐ時間だ。俺、逝くね」

「もう逝くの?」

「うん。今日、俺の誕生日なんだ。生まれた時間に死のうと思って」

「そうだったんだ」

「うん。じゃあ」

「待って」

「?」

「最後に誕生日おめでとう」

「ありがとう」