-Act.1-始まり

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バイトはコンビニの店員をしている。 慣れればそんなに難しい仕事でもない 客で困る事は多々あるが… 時給が安い所が少し痛い それなりに入って時間帯によれば結構いくけど。 このコンビニでバイトしているのには理由がある 1年前まで通っていた高校の近くにあるから。 高校の時、特に俺と仲のよかった3人の内の1人が後輩なのだ どこか抜けてて 危なっかしくて 目が離せない。 俺達の弟の様な存在。 ボケっとしているせいか、からかう奴や馬鹿にする奴がいるから尚更、心配になる。 なにかあった時に 近くに居てやれれば なにかしらしてやれるんじゃないかと、俺は思う。 ティリリリ……… 「いらっしゃいませ~」 店に入店する時に響く音が聞こえ、挨拶をする。 「……おはよ、朔ちゃん」 噂をすれば……みたいなタイミングで来たのは俺の弟の様な存在のアイツだ。   「おー、おはよう達巳。眠そうだな?」 「眠いねぇ~…今日は何にしようかな…」 「ちゃんと食えよ?じゃないと、背のびねぇぞ」 「わかってるよ~……朔ちゃんは僕の保護者かなにかなの?」 「いや先輩兼友達としてだな……」 「あーはいはい!」 ふふっと達巳が笑う こんな何気ないやりとりが楽しくてここのバイトをしている。 あんまり喋ってると怒られるから仕事しなきゃいけないけどな… 人のことは言えないが ほそっこいコイツを見ると ちゃんと食っているのか本当に心配だ…… 「……なぁに?店員さんはお仕事しなきゃダメなんじゃない?はい、これ」 そういいながらパン2つにカフェオレをレジに置いてきた。 「こんなんで腹膨れるのか?」 「うん、お腹いっぱいになるよ」 「本当かよ…俺だったら無理だな…」 「これでも量結構あるんだよ意外と」 ピッピツと品物をレジに通していく。 「ふーん……会計は330円になります。袋にお入れしますか?」 「はーい、あ、いらない!」 「500円をお預かりします。170円のお釣です。お確かめください。……じゃ、学校頑張ってこいよ!」 「うん、ありがと!じゃね!」 達巳は釣りを受け取ると コンビニに出ていった 今日は達巳の学校が終わる時間まで居ないから 朝しかこうやって絡めない バイトが終わったら暇だから 少し出かけようと思う。  
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