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もう歩きなれたこの道に、目新しいものはなく、いつも下を向いて歩いていた。 外の喧騒に慣れることもできず、いつもイヤホンを耳にさして、昔好きだった音楽を聴いていた。 狭い道なので時々、車が横すれすれを通る。 下を向いて、音楽をそこそこの音量で聴いている俺。 いつもそれに気づかず、大きな音でクラクションを鳴らされる。 悪態をついた運転手をぼんやりと見送り、再び下を向いて歩き出す。 変な話だが、こんな風に他人に認識されることで、自分がまだ生きているのだということを再確認する毎日だった。
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