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そこで俺は考えた。 別に部活どうこうなくたって、映画は撮れる。 「映画、撮ろう」 夕日が差し込む放課後の教室で、俺は奴らに言った。 前々から映画の話はしていて、みんな結構乗り気だった。 みんなは、俺のこの言葉を待ってたかのように、にやりと笑った。 「いつ撮る?」 「役は?」 「場所とかってお金かかるんかな」 「俺、木刀持ってるから極道やろーぜ」 「いやいや、案外西部劇のほうがウケいいって」 「むしろエスエフ? スターウォーズ?」 「いやいや、ホラーだろホラー。肝試ししよーぜ」 みんながみんな、好き勝手なこと言って。 でも、俺は、その馬鹿騒ぎが好きだった。
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