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case①変わる運命
カワルカワル
モドルモドル
買い物を終えた二人は公園で休憩をし、帰途につく事にした。
『送ってくれてありがとう。』
『そんなこと気にすんな。』
『うん。お家着いたら電話するね』
『おう。じゃあ後でね。』
カワル
ココカラカワル
『あっ……ユウナ!やっぱ家まで送るよ。』
『え?そんなん悪いよ💦』
『気にするな。俺が送りたいから送るだけ。』
『あは✨ありがと。』
最寄り駅で降りた二人はユウナの家に向かって歩いていた。
最後の交差点。運命は変わった。
イヤ、カワッタノカ?
東西に掛かる横断歩道を西へ二人は歩いていた。
そこに一台の車が迫る。北から南へ向けて。飲酒運転により意識もはっきりしない運転手が乗る車が。
だがその車が二人に突っ込む事はない。
二人と同じ方向?東から西?へ走る車へとぶつかる。
シンジはとっさの判断でユウナを横に突き飛ばした。
ドーーーーーーン
凄まじい轟音と突き飛ばされた反動で一瞬遠くなった意識を引き戻し、ユウナはシンジの姿を探した。
事故現場を囲むように野次馬が集まりだす。
そのちょうど中央の辺りにシンジの姿はあった。
横たわってピクリとも動かないシンジの姿が。
腰が抜けてしまったユウナは這うようにシンジに近付いた。
近付くうちにシンジの周りが太陽の光を反射する。
赤黒く。光を反射する。
血。流れる血。止まる気配もなく流れでる血。
イヤァァァァァーーーーー
ユウナの悲痛な叫びが、野次馬の人垣の中でこだまする。
カワッタ
タシカニカワッタ
彼・女・は・助・か・っ・た・だ・ろ?
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