AM6:00

2/2
前へ
/13ページ
次へ
公園を出て、坂から街を眺める ゆっくりと騒ぎ出す、鮮やかな青の街 そして、地平線には大きな朝日が街全体を、そして僕の全てを照らしていた それはまるで朝日が僕の背中を押しているかのようで、自分の希望の光でもあった 家に帰って学校の支度をする テレビは朝のニュース番組がやっており、いつもと変わらなかった 朝食にトーストを食べ終え、歯を磨く 磨いた後、僕は顔を洗った 昨日までの自分は完全に洗い流せた気分だった そして、鏡の中の自分は新しい自分のような気がしていた 僕は顔をタオルで拭いて、気持ちを入れ直した 全ての支度を終えて玄関に立つ 玄関は数時間前とは違って、格段と光って見えた 僕は勢いよく外に出る 扉の重さなんて全く感じなかった そして、扉の閉まる音は人生の再スタートの銃声かのように大きく鳴った 僕は時計を確かめる 時計は7:30を示していた もう、そこにはアラームの設定マークは消えていた            fin  
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加