[門出]

2/6
前へ
/120ページ
次へ
翌日の朝。 僕は珍しく寝坊した。迎えに来てくれた母さんに起こされやっと目が覚めた位だ。 「ほら、秀。いつまで寝てるつもりなの?早く起きてしたくしなさい」 「んゞ…?ああ母さん。おはようございます」 「おはようございますじゃないですよ。もう少しでお昼なんだから」 「えっ…もうそんな時間?」 「そうですよ。分かったなら早く顔でも洗って目を覚ましてらっしゃい」 「はい、今したくします」 そう言ってバタバタと僕は支度を始めた。そこに検診道具を持ったひなたさんがやって来た。 「秀くん起きた?入るわよ…おはよう秀くん。よく眠れたようね」 クスクスと少し笑いつつ僕に言って来た。 「お察しの通り」 「秀がいつもお騒がせをしてるみたいで、主人共々ご迷惑をおかけしております」 「いいえ、とんでもありません。秀くんいい子ですし、黒澤先生には本当に頭が上がらない位助けていただいております。そんなに心配なさらないでください」 「そうですか」 「したく終わりました」 「じゃあ、最後にいつもの三点検査と点滴したら本当に今日は終わりだから」 「はい」 「それでは秀、私は下に荷物を持って、手続きをとってますから」 「はい、母さん」
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加