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その後僕は、血液検査や検温に血圧測定が終ったら短い点滴をした。
全てが終わって下にある入口までひなたさんと向かった。
入口には父と母。それに橘先生と院長まで居た。
「橘先生、院長。この度は息子がお世話になりました」
「何を言ってるんですか。秀くんの治療は完全には終わってないんですよ。これからじゃないですか」
「そうだよ黒澤君。それに私と君との仲じゃないか」
「葉月君」
父と院長は、高校時代からの親友らしい。
「父さん、母さん」
「秀。今皆さんに挨拶していたところだ」
「そうなんですか」
「それでは、私達はこれで…秀、先に車で待っているから」
「はい。…院長先生、橘先生、ひなたさん。本当にお世話になりました」
「秀くんまで、わかってるかい?君の治療はまだ終わったわけじゃないんだよ。それに毎週水曜日には必ず応診に来きなさいね」
「はい、橘先生」
「秀くん、君が退院することを娘に話したら喜んでいたよ。だが少し寂そうにしていたから、よかったらまた家にも遊びに来てくれ。娘もきっと喜ぶよ」
「光が?…ありがとうございます院長先生」
「ずるいですよ院長。娘さんつかうなんて…どうせ自分の将棋の相手をして欲しいだけのくせに…」
「んな、何を言うんだね橘君!私は決してそんなつもりは…」
「秀くんナースステーションにも顔を見せに来てね。皆で待ってるから」
「はい、ひなたさん」
〈プップー〉
車が入口近くで止まりクラクションが鳴った。中には父と母が乗っていた。
「あっ、今行きます。それでは…父達が待ってますので失礼します。ありがとうございました」
そういって、僕は病院を後にした。
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