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僕が居間に向かって居ると後ろから
「うっせーなぁ、何事?…」
と声がした。振り返るとそれは双子の弟、秀明だった。
「…兄貴」
「ただいま、秀明。久しぶり…だね」
「…なにが〃久しぶりだね〃だよ。急に帰ってきたくせに!!」
「ごめん、急に退院が決まって…だから、バタバタしてて…こっちに着いてから連絡しようと思ってたんだ。そうしたら…その…。会えて嬉しいよ」
「ふんっ。まったく、兄貴は良い身分だよな…勝手なんだよ。いっつもそう…そうやって簡単に人を振り回して…楽しいか!振り回されるこっちの身にもなってみろよ。親父やおふくろだってひまじゃねぇのに…いつも兄貴、兄貴、兄貴、兄貴、兄貴。本当いい迷惑なんだよ」
「ごめん」
「勝手にしろ」
「秀明!お茶を一緒に…」
「お前と茶なんか飲めるかよ」
秀明は、振り返らず部屋へとさがった。
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