[日常]

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「はい腕かして」 そういってひなたさんは僕の腕を掴んだ。どうやら血圧を測るらしい。おそらくこの後に採血と点滴が待っている。だが僕にそれを無くす方法はなかった。 僕は、[黒澤秀]医者の息子だが、今よりもっと昔から入退院を繰り返している現在13歳の男子。病院のナースや医者達で僕を知らない人は居ない。何故かと言うと、この病院の外科部長を務めるのが僕の父親[黒澤治継]…と言ったって外で有名かは知らないが、とりあえず偉い人らしぃ。 でも、僕が見てわかるくらい父はいつも患者さんを考えて行動している。そういう所は尊敬したい。でも、いつも考え込みすぎるからよく疲れた顔をしているし、ごくまれに僕を見たとき一瞬だが苦渋の顔をする。その後は決まって屋上で悔しさの雄叫び?をあげて泣いている。そんな父を陰ながらでも見てしまうと僕もやるせない気持ちでいっぱいになる。 こういった父が居るから無闇に行動できないのだ。 【そういえば、僕がまだ6歳位の時にひなたさんと会ってからもう7年近くの付き合いになるんだよな。そう言えば今年はまだ…】 そんなことを考えていたがふと気になったことがでてきて、ひなたさんに尋ねた。
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