[日常]

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「ねぇ、ひなたさん」 「なぁに」 「今年の桜は後どのくらいで咲くかなぁ」 「そうねぇ、今年は寒いからもう少し先じゃないかしら」 「僕も観られるかなぁ」 「何言ってるのあたりまえじゃない。バカな事いわないで。はい、次採血ね。ちょっと痛むわよ」 「いつもの事ですよ。でも、ひなたさんのが一番痛くないかも」 「ありがとう、お世辞でも嬉しいわ」 【お世辞じゃないんだけどな…】 「はい、後点滴付けて終りだから」 「終わったら2コールでいいですよね?」 僕にとっては、点滴もなれたものだ…2回ナースコールを押せば大抵のナース達が理解し、僕の点滴を換えたりしてくれる。 「いつも助かるわ」 「そういえばひなたさん。この前の検査の結果出ました?」 ドキッとしてひなたさんが一瞬凍りついた。 「ひなたさん?」 「そうね…結果よね。確か…出てたはずよ。でも早いわねどこから聞いたの?」 「聞いて無いですよ。大体このくらいにいつも結果出ますから…それで」 「そう、多分昼頃橘先生来るから。その時にでも話してくれるとおもうわ」 「そうですか…」 「それじゃあまた後でね」 「はい」 そういってひなたさんは部屋を出ていった。
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