[宣告]

2/4
前へ
/120ページ
次へ
「やあ、秀くん」  今来たこの先生は[橘皇]僕が入院してから4番目の担当医だ。 橘先生は、父さんの大学での後輩らしいが、研修医期間を終え、父を追ってこの病院にやってきた。 「体調はどうかな?」 「万全だったら入院なんてしてませんよ」 「そりゃそうか。まぁそう言わずにさ、ね」 「普段よりは、良い方だと思います」 「それは良かった。じゃ点滴直すから腕かして…」 橘先生は、ささっと点滴を着け直した。 「はい完了。落ちきったらナースコールでもして」 「先生…あの…」 「ん?なにかな?」 「この間僕がやった検査の結果どうなりました?」 「ああ、この間の…あれね♪」 橘先生は僕と目も合わせずに軽く言った。 「順調に回復していってたよ♪」 「?…先生、今と同じ事…今度はちゃんと僕の目を見て…言ってもらえませんか」 「だから~…」 「ふざけないでください!!」 そう叫んで僕は、橘先生をじっと見た。すると橘先生は、僕と目を合わせるとため息をついた。 「負けたよ。そんなに知りたい?検査の結果」 「はい」 「院長に口止されてるんだけどな…知らぬが仏って言葉もあるんだけど」 「これは、僕が知っておかなくてはいけない事ですから。お願いします」 「分かった、話しましょう。だけど、聞いたからって変な行動起こさないように。後、院長には俺から話す、だから気を使わなくて良いから。」 「はい」 「君は…後2週間で…」
/120ページ

最初のコメントを投稿しよう!

32人が本棚に入れています
本棚に追加