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「やあ、秀くん」
今来たこの先生は[橘皇]僕が入院してから4番目の担当医だ。
橘先生は、父さんの大学での後輩らしいが、研修医期間を終え、父を追ってこの病院にやってきた。
「体調はどうかな?」
「万全だったら入院なんてしてませんよ」
「そりゃそうか。まぁそう言わずにさ、ね」
「普段よりは、良い方だと思います」
「それは良かった。じゃ点滴直すから腕かして…」
橘先生は、ささっと点滴を着け直した。
「はい完了。落ちきったらナースコールでもして」
「先生…あの…」
「ん?なにかな?」
「この間僕がやった検査の結果どうなりました?」
「ああ、この間の…あれね♪」
橘先生は僕と目も合わせずに軽く言った。
「順調に回復していってたよ♪」
「?…先生、今と同じ事…今度はちゃんと僕の目を見て…言ってもらえませんか」
「だから~…」
「ふざけないでください!!」
そう叫んで僕は、橘先生をじっと見た。すると橘先生は、僕と目を合わせるとため息をついた。
「負けたよ。そんなに知りたい?検査の結果」
「はい」
「院長に口止されてるんだけどな…知らぬが仏って言葉もあるんだけど」
「これは、僕が知っておかなくてはいけない事ですから。お願いします」
「分かった、話しましょう。だけど、聞いたからって変な行動起こさないように。後、院長には俺から話す、だから気を使わなくて良いから。」
「はい」
「君は…後2週間で…」
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