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「後2週間で…?」
僕から血の気が少しづつ退いた。
「後2週間で秀くんは…退院だ」
「退院…?…!!?退院ですか!?」
「そう、退院。おめでとう、秀くん。長い間良く頑張ったね」
はっきりと僕の方を見て橘先生は笑顔で言った。だからうそでは、ないだろう。でも目は合わせる事はしなかった。そこで、僕は悟ってしまった。
「先生…」
「なにかな?」
「僕は…後どのくらいですか」
「だから、後2週間で退…」
「そうでなくて、後…どのくらい生きていられますか…」
「そりゃ、70…80とか…」
「嘘…つかなくて良いですよ。先生嘘つくの下手なんですから。僕でも判りますよ。こんな時期に退院なんて…長くないんですよね…だって13年…13年ですよ。それだけここに居れば嫌でも色々なことがわかってきますよ。そんな僕が後2週間で退院…普通に考えたらありえないじゃないですか。お願いです、本当の事を…真実を教えてください。おねが…」
僕は橘先生の白衣をすがり着くようにつかんでいた。目には今にもこぼれ落ちそうな涙が溢れてきていた。
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