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「わりぃな~。大輝。」
「‥‥んなこと思ってねぇだろ?」
「まぁな。」
親友の晶といつもの場所で待ち合わせた俺等
「んで、このあとどーするん?」
「何も決めてねぇ~よ。」
こいつは中学の頃からいつもこんな感じだよな
そんなことを思いながら2人して歩きよりも遅いスピードで静かな道を進んでいた。
「カラオケ‥‥」
「まだ開いてないよ。」
「ゲーセン‥‥」
「まだ9時にもなってないよ。」
「そっかぁ‥‥」
本当に何も考えてなかったんだなこいつは…
「‥‥で、サボったいいけどマジどーするんだ晶?」
そう聞いた直後だった。
「今日って火曜‥‥だよな?」
急に真面目な声で聞いてくる晶。
「そーだよ‥‥ってさっきも言わなかったっけ?」
正直…この時
俺の中に何かしらの違和感があった
それが何なのか分かったのは
晶の次の言葉のすぐあとだった……
「学校行くぞ!」
「はぁっ!何でサボったのに行くんだよ?」
「大輝知らねぇのかよ?火曜の1時間目のこと?」
「だーら柴ちゃんの‥‥」
「ちげーよ!D組の体育だよ。」
「‥‥はっ?」
一体こいつは何を言ってるんだ?
「いいから来いって!」
やけにテンションの高い晶の後ろについて俺は静かにペダルに力を込めた。
「ってかD組の体育‥‥って何なんだよ?」
「そりゃ着いてからのお楽しみってやつ。」
満面の笑みを浮かべる晶
「どうせ‥‥可愛い子がいるとかだろ?」
「まぁーな!」
意気揚々に走る晶の後を俺は溜め息混じりについて行った。
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