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教室に着いて席に座ると、後から追いかけてきたのか、柊優が隣に座っていた。 今思えば、柊優は隣の席であったことを、すっかり忘れていた。 だから何となく見たような顔だったのか。 納得した。 「もー…何で先に行っちゃうかなー?待っててくれても良いのに…。」 と、ちょっとふてくされたような口調で言ってたが、返事をしなかった。 普通、私のような人は放っておくものだ。 高校に入り、今日までずっとそうだった。 だけど、柊優は違う。 何故かは分からないが、やけに話かけてくる。 今までこんな事はなかった…だから、どうしてかわからなかった。 「…1つ聞きたい。良いか?」 「!! …菱田から話しかけてくれるなんて…何、どうしたの?」 本当に嬉しそうにしている。それもそうだ。 私から他人に話しかけることはない。
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