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『お前さえ…お前さえいなかったらこんなことにたならなかったんだ!!』 『瑠奈は何も悪くない…瑠奈を責めないで!!』 "おとうさん…おかあさん…やめて…!" 『うるせぇ!黙れ!』 『瑠奈…危ない!!』 私を助けようと、母は父の振り落とした包丁に刺された。 『……!! …俺は…そうか…ごめんな、瑠奈…。』 母を刺したことに責任を感じた父は自分の首を取った。 私の目の前には冷たくなった母の体。血塗れになって転がる父の頭…そして体。 その後から来た人によって通報され、静かになった部屋に響くパトカーの音。照らす赤いランプ。 さっきまで写っていた空間は一瞬で真っ赤に染められ、母譲りの白い私の髪も、しっとりと赤に染められていた。
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