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それから暫くした頃、彼女から彼と別れた事を聞いた。
聞いた瞬間、何とも言えない気持ちになった。
彼女の落ち込んだ顔は見たくない。
人間って貪欲な生き物だから、手には入らないと判った瞬間から、それが欲しくなる。
今なら…手に入るかもしれない。
でも彼女を幸せに出来るのは自分じゃない。
私が与えられるのは、絶望という名の甘い時間だけ。
私は彼女の肩を抱き、慰めるしか出来なかった。
それから数年間、私は暗く長いトンネルを…さまよい歩く事になる。
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