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掠っただけで勢いは完全に相殺され、レナの『アールマティ』は打ち砕かれた。
正面から直撃されていたら……と思うと、ゾッとする。
完全に乱された体勢を空中で戻し、自分の真下に『ウインドシールド』で足場を作る。
それに着地すると、視界の下の方でレナがわさわさと動いていた。
「『白銀の蔦鞭(スノーホワイト)』!!」
ん?
ギュルルッ
……何かが私の右腕に巻き付いてきた。
「アリスー、それ引っ張ってー」
それがちょっと前にレナが私を引っ張り上げるのに使った鞭だと気付くのに、若干の時間を要したが。
それはともかく、レナの言う通りに右腕に巻き付いてる鞭を掴み……
思いっきり引っ張った。
「うぉうっ!?」
情けない声を挙げながらレナが私の所にすっ飛んできた。
「わたたた……っと。ちょっと強すぎだよアリス」
「うるさい」
そんな事を言っている場合ではない。
「……まさか『アールマティ』が掠っただけで割られるなんてね。正直ビックリだよ」
無ければ腕の一つでも持っていかれてたのだろうか。
「だけど、一撃は防げる。ボクが全力でサポートするから……」
「……解ってる」
私はひたすら突撃。
獣を──叩き斬る。
「……来る!!」
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