陛下観察日記

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○月★日 ――――― 観察日記三日目だ。 今日も陛下はお美しい。 だが私の心は晴れない。 夜中に陛下の部屋を訪ねた時、陛下は机に突っ伏したまま眠ってしまわれていた。 このままでは風邪を引いてしまうと声をかけようとしたのだが、その時陛下が、 ライナ早く帰ってきて と妙に色っぽい声で呟かれたからだ。 ライナと言うのは、学生時代から陛下と親交のあった複写眼保持者で、現在は陛下ご自身の命令で他国に行っているはずだが… ご自分で他国に送り出しておいて早く帰ってきて…って 一体どこの新婚夫婦ですか!? どちらが嫁ですか陛下ですか!? まさか私への当てつけで (中略) …少々取り乱したようだがもう大丈夫だ。 とにかく私は陛下を起こそうと決意した。したのだが、あまりにお可愛らしい寝顔だったため起こせなかった。 丁度良いのでベッドに運んで差し上げようかしかし私ごときが陛下に軽々しく触れるなどそのようなこと (中略) 結局、私が悩んでいる内に陛下は目を覚ましてしまい自力でベッドに入って寝てしまわれた。
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