悪夢のハジマリ

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「ノート…か?」 さっきは気付かなかったが、暗闇に目が慣れたからだろうか。 仕舞い忘れたと思われるノートが一冊。 無造作に机の上に置かれていた。 表紙には何も書かれておらず、仕事関係では無いことが分かる。 しかし、だとしたら。 「何のノートだ…?」 仕事に関係ないなら、あくまで個人の持ち物だ。 例え部下の物だからと言って、勝手に中を見る訳にはいかないのは分かっている。 分かっているが。 「き…気になる…」 あのフロワードが仕事以外で何か残すとしたら、一体何だ? あいつに趣味があるという話も聞かないし、そもそも趣味に興じる程の自由時間があるとも思えない。 「フロワードは秘密主義者だからなぁ…」 もし仮に趣味があったとしても、他人に話す筈が無いだろう。
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