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はじめて着た高そうな黒い燕尾服。
珍しくきちんとセットされたこげ茶色の髪。
身だしなみは頭のてっぺんから爪先まで整えた。
少し前に立つのは同じ服を着た、品のいい白髪まじりの初老の男性。
周りには顔立ちの整った、数人メイドさん達。
皆、落ち着いた顔立ちで静かに頭を下げている。
そしてこのやたらと豪華なこの部屋。
その中心部で、大きなソファーにゆったりと腰掛けているのは、小柄でピンクの長い髪をした少女。
その堂々とした様子に俺は思わず息を飲んだ。
彼女はくりくりと大きな茶色の瞳を俺に向けて、かわいらしい声でこう言った。
｢貴方が私の新しい執事。宮川晶？｣
それが俺、宮川晶(ﾐﾔｶﾜ ｱｷﾗ)と、お嬢様、榊みんく(ｻｶｷ ﾐﾝｸ)の出会いだった。
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