主人公

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   彼らの決意は固い。自分の命が散ってでも悠を殺るつもりなのだろう……。  だからこそ、俺は彼らに対して首を軽く振り、言葉を紡ぐ。 「違う……違うんだよ、お前ら」 「? 一体何が違うと……」 「命は無駄に散らすものじゃあない」 「……だが、そうでもしないとヤツの命は……」 「何も悠に素手で挑む必要は無いだろ?」 『!?』  全員が息を呑む。 「お前達、武器を持てっ! 筆箱の中身を握れ! カッターやハサミ、コンパス、シャーペン。全てを持て! そして今日こそ悠を仕留めるんだっ!!」  俺は彼らが無駄に死んで欲しくないんだ!  ん? 悠? ……団結には共通の敵って、必要だよね? 「――っ!? 冗談じゃねぇぞっ」  俺の言葉を聞いてすぐにカッターなどを持ち出した男子達を見た悠の行動は早かった。 「えっ!?」  西野さんの手を引き、自分の近くにあったドアに近づき、速攻で開け、  逃走した。
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