4328人が本棚に入れています
本棚に追加
彼らの決意は固い。自分の命が散ってでも悠を殺るつもりなのだろう……。
だからこそ、俺は彼らに対して首を軽く振り、言葉を紡ぐ。
「違う……違うんだよ、お前ら」
「? 一体何が違うと……」
「命は無駄に散らすものじゃあない」
「……だが、そうでもしないとヤツの命は……」
「何も悠に素手で挑む必要は無いだろ?」
『!?』
全員が息を呑む。
「お前達、武器を持てっ! 筆箱の中身を握れ! カッターやハサミ、コンパス、シャーペン。全てを持て! そして今日こそ悠を仕留めるんだっ!!」
俺は彼らが無駄に死んで欲しくないんだ!
ん? 悠? ……団結には共通の敵って、必要だよね?
「――っ!? 冗談じゃねぇぞっ」
俺の言葉を聞いてすぐにカッターなどを持ち出した男子達を見た悠の行動は早かった。
「えっ!?」
西野さんの手を引き、自分の近くにあったドアに近づき、速攻で開け、
逃走した。
最初のコメントを投稿しよう!