ねぇ

2/2
前へ
/2ページ
次へ
喧嘩したあの日から、ずっとメールがこない。勿論、電話も。 喧嘩の原因は俺にあって、何ていうか、俺がリストカットしてたのがばれた。 まぁ、普通そんなことしてたら、軽蔑するよね?あの人もそうだった。 結局は、俺が悪いんだけど。でも、耐えられなくて。 弱い俺はカッターを握った。最初は、怖かった。 「このまま死んだら、逢えなくなるなー」とか色々考えた。でも、腕から流れる血を見てたらそんな考えどっかにいっちゃって、リストカットを繰り返した。 辛いことがあったら、そうしないと自分が潰れてしまいそうだった。 そうやってあの日もカッターを握ったとき、あの人に見つかった。 冷たい視線が今も忘れられない。口には出さなくても「汚い」って言われてるみたいで、俺は何も言えなかった。 1分位、そうしてたのかな。あの人は俺から視線を逸らした。 「次、そんなことしたらお前切るから。」 覚えとけ、ってそれだけ言って部屋から出て行った。 俺、捨てられんのかな。 1人部屋に残された俺は、暫く床に座り込んでいた。 それから、最初に言った通りメールも電話もこない。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加