第一章 はじまりのとき

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「…ああ!そうね…。」 反応が遅かったわたしのことを尚香は 心配そうに様子を伺っているように見えた。 (わたし、迷惑かけてるよね…) 申し訳なくなってうつむいた時、尚香は 「…まだ婚約してないからわたし の気が早かったよね!ごめん!」 とわたしの肩を叩いて気さくそうに笑った。 「ううん、わたしこそごめんなさい。」 彼女の笑顔につられて、わたしは再び詫びる。 「いいの!…ってことでさ、行きましょ! 時間なくなっちゃうし!」 彼女はわたしの手を引っ張って歩きだした。 そう。わたしが困った時は笑顔でいつでも 引っ張っていってくれるこういう尚香の ことがとても好き。
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