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振りかえると、想像通りの人物が
手を振りながら歩いてきた。
「尚香!」
「もー、大喬探したんだから!」
そう言いながら笑う尚香の姿は外から
照らされている光にあたっていて
キラキラ輝いているように見える。
「ごめんなさい。いろいろあって…。」
「全然大丈夫よ。…さあ、行きましょ!」
そう言って彼女はわたしの手をとって歩き出した。
歩くたびにきしむ城内の廊下を
わたしたちは談笑しながら歩く。
笑い話が一段落した時、尚香は落ち着いた
ように改めて話しはじめた。
「ねえ、もうすこしなのね。」
「?」
わたしは意味がわからなくて
首をかしげ立ちどまった。
「兄さまとの結婚!」
彼女は目印の短い髪をくしゃりと
かきながら振り向いた。
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