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流石、女の子。ディズニーのぬいぐるみとか、かわいい系の人形とかがいっぱいある。
「今からご飯作るからねー」
愛里が台所で包丁を気合い入れるためか、振り回してる。
……大丈夫かよ。
とりあえず俺はプーさんのぬいぐるみとかの手を動かして、暇を潰す。
「…いったぁ!」
愛里の声。
「どうした?」
「……ゆひきっひゃ」
左手の人差し指をくわえて言うもんだから、何て言ったのかわからなかった。
「……しゃーなぃなぁ」
俺は愛里の小さい包丁を掴むと、具材を確認し(挽き肉と玉葱辺りからハンバーグと見た!)、玉葱をみじん切りにしていった。
「りょんくん、ひゅっごーぃ」
いい加減、指加えながら喋るな。わかんないから。
結局、下ごしらえを愛里が、俺が調理と言うなんとも不思議な役割分担で、夕食は出来上がった。スープは残ったハンバーグの肉で作った肉団子のスープだ。
「ロンくんカッコいーねー」
愛里の称賛の声。パチパチと叩く左手の人差し指には絆創膏が貼ってある。
「まぁ…親がいない時にたまに作るからさ。それじゃ、いただきます」
「いっただっきまーす♪」
愛里の笑顔を絶対に目に焼き付けよう……。死ぬ前に………。
そう思いながら、俺は箸を肉団子のスープに突っ込んだ。
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