一日目終了

6/9
前へ
/25ページ
次へ
流石、女の子。ディズニーのぬいぐるみとか、かわいい系の人形とかがいっぱいある。 「今からご飯作るからねー」 愛里が台所で包丁を気合い入れるためか、振り回してる。 ……大丈夫かよ。 とりあえず俺はプーさんのぬいぐるみとかの手を動かして、暇を潰す。 「…いったぁ!」 愛里の声。 「どうした?」 「……ゆひきっひゃ」 左手の人差し指をくわえて言うもんだから、何て言ったのかわからなかった。 「……しゃーなぃなぁ」 俺は愛里の小さい包丁を掴むと、具材を確認し(挽き肉と玉葱辺りからハンバーグと見た!)、玉葱をみじん切りにしていった。 「りょんくん、ひゅっごーぃ」 いい加減、指加えながら喋るな。わかんないから。 結局、下ごしらえを愛里が、俺が調理と言うなんとも不思議な役割分担で、夕食は出来上がった。スープは残ったハンバーグの肉で作った肉団子のスープだ。 「ロンくんカッコいーねー」 愛里の称賛の声。パチパチと叩く左手の人差し指には絆創膏が貼ってある。 「まぁ…親がいない時にたまに作るからさ。それじゃ、いただきます」 「いっただっきまーす♪」 愛里の笑顔を絶対に目に焼き付けよう……。死ぬ前に………。 そう思いながら、俺は箸を肉団子のスープに突っ込んだ。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

166人が本棚に入れています
本棚に追加