プロローグ

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今はちょっと進んだ未来。西暦2054年。 2020年くらいには宇宙に住めるとか言ってたけど、実際には住めてないし、ロケットも両手で数えられるくらいしか飛んでいない。 その代わり医療とかは発達した。 まぁ教育とかもダラダラしたまま。世界は大して変わってない。 自己紹介が遅れたけど、俺の名前はロン。と友達に言われている。もちろんあだ名だが。本名教えたって何の得にもならんし。 あと、高校三年生。そろそろ進路を決めなきゃ行けない頃だな。 とか考えつつ、俺は学校に行くために初夏の風が吹き抜ける住宅街を歩いている。 ゆったりと遅刻しない程度に歩いていると、後ろからガバーッと誰かにしがみつかれた。 「おはやうっす!ロン!」 「……朝からテンションたけーな。市川」 今、俺にしがみついてるのは斬っても何処か糸引く関係の親友、市川 一馬(イチカワ カズマ)。 ロンって言うな。 別に某・大ベストセラー魔法物語の赤毛の人に似ている訳ではないぞ。 こいつとは切っても本当に切れない。幼稚園から一緒で、クラスも一緒。一度も外れた事はない。もちろん高校も。 「つーか今日は土曜日だってのに。貴重な休日が台無しだよな」 そう。今日は土曜。 「どーせ下らん話で終わるだろ。」 そう言い合いながら俺らは学校に向かって歩を進めた。
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