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「朝っぱらから俺を疲労困憊にさせたのは雨の日の自転車通学とお前ぐらいだ……」
ゼーハー言いながら、ありったけの皮肉を込めて、送る言葉。
「サンクス!やっぱ選ばれし友達の褒め言葉は違うなー!」
そう聞こえたなら耳鼻科に行こう。付添人になってやる。皮肉が賛美に聞こえたので、鼓膜を常人に変えてください。ってな。
「……なんかざわついてんなー……結構待たされてんのかな?」
「…多分な。」
サブバックを肩に掛け直し、俺のクラスの列に入った。
「おっはよ!ロン君」
今話しかけてきたのは福留 愛里(フクドメ アイリ)。やたら俺に話しかけて来る。一部の生徒には付き合ってるだの付き合ってないだの………。
ああ いまいましい いまいましい。と、某台詞を言ってみる。立場も似てるしな………。
「あぁ。おはよう」
「なんかあったの?目が据わってるよ」
「いや……特に何も。寝不足なだけさ……」
そう。ここまでは序章だったのさ。面白い話もここで終わりだ。
地獄の讃美歌はここから始まった。
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