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自ら創設した組織を追放され、ポケットの中にあるのはわずか数千円のみ
「まあいいさ」ポールウェブはつぶやいた。
護身専門の格技など、もともと満足できるものではないことは分かっていたのだから
男に生まれたからにゃ、強さを求め、積極的に闘うべきなんだ そこに難しい理由などいらない 闘うことが格闘家の使命
冷たい北風のふく中、ポールはとある柔道場の前をとおりかかった
「さっそくこいつらを潰していくか」
ポールは扉を蹴り破り、叫んだ
「俺と勝負しろ」
すると100kgを超える大男達が一斉にポールを凝視した
そして師匠らしき男がささやいた
「私らは人を傷つけるために柔道をしているわけではない。悪いけど、無意味な決闘を受けることはできないよ」
ポールは笑った「がはははははははは 無意味だと?無意味な決闘など存在しない 格闘家は闘うことそのものに価値があるのだ。それともてめえらは腰抜けか?うわはははは」
そしてポールはいっきに跳び蹴りをはなった
師匠はひらりとかわしたがそのうしろにいた男の顔面を捉えた
「うう。」
男は悶絶した。
師匠は帯を引き締めた
「暴力とは愚かしい。暴力をふるわれたからには黙ってるわけにはいかない」
師匠はポールにつかみかかってきた しかしすぐにポールのジャブの雨が顔にふりかかる それでもさすが師匠なだけあり、ポールをつかみ背負い投げをはなった
ところが身軽なポールは余裕で着地し、こめかみに後ろ廻し蹴りをはなち、全体重をのせたストレートをぶっつけた
師匠はその場に崩れ落ちた
「俺のジャブをくらってそれでもむかってこれたことはほめてやる」
ポールは柔道場の表札を奪い、去っていった
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