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「?!まっ、マリエル?!」
思わず吃驚して起き上がるとその拍子に本の雪崩れが起きてしまった。
「ちょっ…?!ユタ大丈夫っ?」
慌てて雪崩れからユタを救助したのは親友のマリエル。
赤茶色の髪をツインテールに結んでいる彼女はとても少女らしい。
服装も薄茶のカーディガンに白いふんわりとしたワンピースを着ている。
「もう…吃驚したぁ…
マリエル勝手に僕の家入らないでよう…。」
「ごめんごめん、暇だったしそれにほら、パン焼いたからユタにも分けてあげようかと思って。」
隅に置いてあるバッケトを見てみると確かにいい匂いが鼻をくすぐる。
「もう、しょうがないなぁ。
」
窓からは人工的な光が入りこんでいた。
「ライトが着いてる…。
って事は今は朝?」
「ん。朝みたいだねー。」
伸びをしながらユタに答える。窓を開けてみるが、気持のいい風は吹いて来ない。
上を見上げるとあるはずの空はなく変わりに無機質なチタンで覆われた天井がどこまでも続いていた。
「はぁ…」
マリエルに気づかれないよう静かにため息を落として窓を閉めた。
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