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アンダーグラウンド。
『外』と隔離されているこの村は無機質なチタンに囲まれている。
もう何年も前に『外』では大きな戦争があって人が住めない世界になった。
そして残された人々はこのアンダーグラウンドを作ったらしい。
完全に隔離されているこの村には空がない。
昼と夜を分けるのは天井に埋め込まれた球体が発する光だけ。それが消えれば夜。
本当の時間は分からない。
只、一つ。
この小さな世界の問題。
それは子供だ。
何故かアンダーグラウンドでは子供が殆ど育たない。
生まれてきた赤ん坊はすぐに死んでしまう。
環境が悪いのか、ともかくこの世界では子供にとって住みにくいらしい。
ユタとマリエルはこの村で唯一の子供だ。
他の子供達は死んだ。
仲の良かった友達も呆気なく消えて残されたユタとマリエル。そんな過酷な世界で二人は健気に生きていた。
「そういえば、ユタ、ユリシカお姉ちゃんの夢見てた?」
パンを口に手で契りながら食べてるマリエルが尋ねた。
「えっ?なんで分かるのっ?!僕もしかしてなんか言ってた…?」
「言ってた言ってた。ユリシカお姉ちゃんって。」
「もー恥ずかしいな…マリエルの意地悪っ。」
「ごめんごめんっ。」
「はぁ、でも久々にユリシカお姉ちゃんの夢見たなぁ。」
「………。」
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