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するといきなりユタの家の扉を乱暴に開けて入ってきた。
少しでっぷりとして髪を一つに纏め、きつそうな目をしている。
マリエルのお母さんだ。
「マリエル!!」
「ママッ!」
マリエルの姿を見つけると手を掴みユタから引き離す。
「またあんたはこんな子の所に来てっ!」
「ママ!ユタは友達だよっ!?」
「『忌み者』なんかと、付き合っちゃいけないってあれ程言ってるでしょっ?!」
「…っ!」
『忌み者』。
その言葉にユタの体が強張る。チラリとユタを侮蔑の目で見ると見慣れたバッケトから覗いてるパンに気付く。
「マリエル?!あんた貴重な食べ物をまた『忌み者』にあげて!」
「ママっ…。」
最後にユタを一瞥してからマリエルの手を無理矢理引っ張りながら外へ消えて行った。
困ったような少し悲しそうな顔をしながら口パクで「またね」を言ったマリエルを見送るしかなかった。
「……。」
ポツンと残されたユタ。
バッケトから落ちて床に散らばってしまったパンを拾い上げる。
もう慣れた光景。
それでもユタの心をえぐるには充分だった。
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