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砂隠れの里、そこには沢山の忍が住んでいました。
ある日、チヨバア様は幼いサソリを連れて砂隠れの里に降りたのでした。
「サソリ、此処が砂隠れの里じゃ…良いところじゃろう」
「はい!チヨバア様」
サソリは、見る物全てが新しいこの里に期待を膨らませながら大きく頷きます。
そんなサソリを見つめるチヨバア様も、何処か嬉しげに笑っていました。
サソリとチヨバア様が砂隠れの里に訪れてから、数週間がたったある日。
「はぁ……」
サソリは大きな溜め息をつきました。
どこか元気のないサソリを心配し、チヨバア様が話しかけました。
「どうした?サソリ…両親が恋しいのか?」
サソリの両親は、サソリがうんと小さい頃に遠いお空に旅立ってしまいました。
二人が砂隠れの里に来たのも、サソリに寂しい想いをさせない為なのでした。
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