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***おまけ②(ロー)***
『クー、十年後だ。十年後に、海に出る。
そして…二人で、海賊王になるぞ』
『…ん(アイスちょーうめぇ!…ん?兄貴なんか言った?)』
あいつはいつも無表情、無関心で、俺みたいにニヤリともしない。
だからあいつにとってガキの頃の約束なんざ、どうでもいいことなんだろうな、と。
…そう思っていた俺は、数年前に故郷を一人で出たが、なんとなく気になって、戻って来ると……
「おかえり」
後悔した。
どこか疲れたように、泣きそうに…いつもの無表情であるのに。
「あにき」
縋るような自分の片割れ。
(約束したのは俺からだったってのに…)
クーがハートの海賊団となったその日から、俺達は同じベッドで眠った。
俺が置いて行ったトラウマからか、クーは俺が離れようとすると悲しそうに瞳を揺らすから。
だから、ずっと一緒だ。
行くぞ、クー。
……………“高み”へ。
(ちょちょちょ、兄貴!こんな恐い人達の中に置いてかないでぇええ!!)
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