131人が本棚に入れています
本棚に追加
これは僕が店長を勤めていたカラオケ店での出来事です。
僕の店舗は某スーパーの建物をそのまま利用した構造でした。
一階 屋内駐車場
ゲームコーナー
受付フロント
キッチン
事務所
二階 カラオケルーム
こんな感じです。
あまり気にしてなかったのですが、屋内駐車場の角に開かないドアがありました。
なんと言うか…
ホームセンターで買ってきた様な部品で、厳重にネジ止めされているのです。
…あれは年末年始の忙しい時期でした。
突然、火災報知器が作動して店内の電気が落ちました。
もちろん営業中の深夜にです。
カラオケ店では火災報知器が作動すると、お客様の部屋の電源が落ちる仕組みになっています。
イタズラで非常ボタンを押されたかと思い、事務所の火災報知器のパネルで確認しました。
すると、非常ボタンではなく一階の開かずの間にある火災報知器が作動していたのです。
変だな…と思いつつ
電動ドライバー(インパクト)を持って、問題の開かずの間に向かいました。
30分くらいドアのネジと格闘しました。
古く劣化したネジは中々うまく外せませんでした。
…そしてようやくドアが開きました。ギイィィ…
と!
真っ暗から人影が目に飛び込んで来ました!
僕「うわ!!」
…鏡です。
ここはトイレだった様です。昔の従業員用トイレでした。
真っ暗闇をライトで照らすと所々にお札のようなモノまであります。
洗面所の奥には和風トイレがあり、生臭いというか生暖かい空気が充満しています。
じめじめしていてコンクリートにはカビまで生えています。
和風便器の底知れぬほの暗い穴からは今にでも、リングの貞子が出て来そうな勢いです。
どのホラー映画に比べても遜色ない恐ろしい雰囲気…
むしろ映画なら僕に死亡フラグが立っているでしょう…
僕は逃げ出したい気持ちを抑え、持って来たライトで天井の火災報知器を確認しました。
ぽたっ…
僕「うっ…」
水滴が顔に落ちました。
火災報知器は漏電でショートし、それが警報を鳴らしてしまったようです。
脚立を持って来て、恐怖と格闘しながら火災報知器の配線を切りました。
店内の警報は止み、ようやく全ての問題が解決したかの様に思えたのですが
それが全ての始まりだったのです。
最初のコメントを投稿しよう!