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今から40年も前のお話しです。
子供の頃、般若のお面を飾っている家が結構ありました。
私の仲良かった、仁美ちゃんの家にも飾ってあったんです。
ある日、すぐ裏に住む仁美ちゃんの家にお泊まりする事になりました。
昼間は楽しく遊び、遊び疲れた仁美ちゃんとその2人の姉妹、そして私は2階の部屋で、早い時間からぐっすりと眠っていました。
深夜、ふと目を覚ました私は、トイレに行きたくなり、自宅でもそんな時間には未だ、1人でトイレになんぞ行った事も無く、まして、部屋は2階。勝手知ったる他人の家とは言え、怖くなり、仁美ちゃんを揺り起こし、トイレへ向かった。
下の居間を抜けてトイレに行き、先に私が入り、仁美ちゃんが電気を点けてくれ、麦茶を用意してくれた居間で、仁美ちゃんを待っていた。
カタカタカタ。
何かが音をたてた。
仁美ちゃんがトイレから出て来たのかと思ったが、今、入ったばかり。
再び、カタカタカタ。
部屋の中を見回すと、般若のお面がズレている。
「お待たせ~。」
仁美ちゃんが出て来た。
「あれっ、なんで寒いんだろう。」
仁美ちゃんが言ったが、真夏なのだ。 寒い筈あるわけがない。
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