押したのは誰?

2/2

28人が本棚に入れています
本棚に追加
/72ページ
小学生の頃、友人と学校近くの田んぼでよく遊んでいた。 ある春の日。 何時もと同じ様に友人達と遊び、用水路(溝になっていた気がする)の橋を、自転車で渡り始めた時、 「キャー。」 という友人の叫び声。 次の瞬間、私は自転車もろとも、用水路(ドブ)に頭から真っ逆さま! 友人の叫び声を聞きつけた近所のおばさんに、助け上げて貰ったのだが・・・ 友人は私の後ろを走っていて、私の背中を誰かが押したと半狂乱。 助け上げてくれたおばさんに聞いた話しでは、以前、その用水路(ドブ)に頭から落ちて亡くなった女の子が居るらしく、歳格好が、まるで私そっくりだったのだそうだ。 その時以降、その橋を渡る事は無い。 家に戻り、母にその話しをしたのだが、信じては貰えず、しっかり説教されたのだが、暫くたったある日、 「あんたの話しを信じるよ。」 と母が話し始めた。 母も同じ橋を自転車で渡ろうとした時、背中を誰かに押され、危うくはまってしまう所だった事があり、母の勤める病院の医師や看護師達にその話しを笑い話としてした所、事実だという事を、その時の担当医だったという医師から聞いたのだそうだ。
/72ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加