-FoF Episode 1-

2/9
前へ
/62ページ
次へ
「この特例を…緊急時の措置として変更し、もう一人オーバーSランク魔導師を追加で派遣するものとする」 な…にを…言ってるんだ…? この問題は誰も戦争なんかに巻き込みたくないから…オレ一人で決着をつける筈だっただろう? 「そして、その魔導師の名は…」 誰だよ…誰なんだよ… 「次元艦行部隊、フェイト・T・ハラオウン執務官」 その名を聞いた瞬間、頭が白熱するくらいの衝撃が襲った。 「ふッざけんなぁッッッ!契約と違うだろうがッ!」 机を思い切り叩き、立ち上がる。今の衝撃で机にヒビが入ったが今はそんなことを考えられる精神状態じゃない。 「慎みたまえ!ザーフォン一佐!」 「やかましいんだよッ!殺されてぇのかッ!?」 口を挟んできたどっかの御偉いさんに容赦なく本気の殺気をぶつける。 「ひぃッ…!」 腰を抜かして、地面に倒れる。ふん、んな程度でビビってんじゃねぇっつうんだッ! 「落ち着き下さい。ザーフォン一佐」 四人の警備員が即座にオレに銃型デバイスを構えて包囲する。 「まぁ落ち着きたまえ。この決定にも理由があるのだよ」 「理由だと…?」 正直はらわたが煮えくり返って仕方がないが、ひとまず殺気を静める。「まず増援派遣の理由から話そうか。この決定の理由は君一人でこの任務に当たることが些か問題があるということが上層部で決議された」 「このオレが力不足ってかッ!?」 「そうではない。仮に君がどんな気持ちでいようと、どんなことを言おうといざ聖杯を入手したらそれを悪用する可能性もあるわけだ。その可能性に対処するために君を止められる実力を持った管理局の人間が必要だ。そしてハラオウン執務官は個人的に君と交友があると聞く。場合によれば説得も可能だろう。さらに聖杯戦争の舞台となる管理外世界“地球”の日本国冬木市。この街は彼女が子供時代いた街の隣りだというじゃないか。地の利もある。実力もある。そういう理由で彼女を増援として派遣することに決定されたわけだ。それに彼女は古代遺物担当の次元艦行部隊であるからな。経験もまだ浅いが幾つもの事件を担当している。そういうことだ」
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

388人が本棚に入れています
本棚に追加