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朱美のそれは今日一日服の上から感じていたにも関わらず、やはり本物を見てみるとその大きさは大迫力の一言だった。おまけに付けている下着は純白レース付き。まだ穢れを知らないであろう朱美を如実に表しているようで、尚のこと……。
(ごくり……)
思わず生唾を飲んでしまう。
(や、山本のは……)
見えているとなると、気になってしまうのが男の性か。俺はそろりそろりと視線を山本へと移す。
山本は典型的なスポーツブラで大きさはそこまでではなかった。しかし、締め付けられて尚それは山としての形を留めており、『脱いだら大物』と思わせるようなものだった。
「それじゃ、行ってくるね。ペン太」
体操着に着替え終わった朱美は俺にそう言うと、授業の行われる体育館へと向かって行ってしまった。
(さすがに体育の授業にまでは持っていかないんだな)
朱美たちの授業風景が見れないのは少し残念だ、色々な意味で。
(さて……)
俺は教室を見渡し、誰もいなくなったことを確認するとある人物へと問いかけた。
「おい神。見てるんなら返事しろ」
それは半ばやけくそな問いかけだった。
俺だってこんなことムダだと思ってる。でも、どうしても確認したいことがあった。
「……」
問いかけに応じる声はない。
「やっぱ無理か……」
『無理ではないぞ』
「うおっ!?」
諦めかけた次の瞬間に答えが返ってきたのでかなりビックリした。驚きで心臓がバクバク言ってる。
神様の声は頭の中に直接語りかけてくるようなものだった。
「お、おどかすなよなっ」
『何か用か?』
「だから呼んだ」
とりあえず通じたようなので、俺は確認したかったことを神様に問いかけた。
「何で代えの体が俺の買ったぬいぐるみなんだよ!」
正直もっと他にいいものがあったと思う。
『それはお前の体が直るまでの間、身辺の出来事などを知っていなければ困ると思ったからだ』
しかし、その言葉は意外にも冷静に返されてしまった。
「と、いうと……?」
『体が直って戻った時に回りの状況が変わっていたら困るだろう?』
「ま、まぁ確かに……」
俺を間違いで殺したような神にしては、多少は考えてやってるんだな……。
「じゃあ、なんで留学なんだよ。ていうか、英語の成績三の人間が留学とか怪しすぎるだろっ」
自慢じゃないがテストはいつも平均ギリギリだ。
『案ずるな』
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