act1

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外に出ると、予想通り小雨が降っていた。フードをかぶり、小走りで駐車場につくと、そこには少々古びた水色のラパンがあった。 「確かに可愛い。」 「でしょう?」 得意気に胸を張り、キーを回す。これ以上雨に濡れるのが嫌だったので、素早く中に入った。 中は肌寒かった。しかし、先ほど買った熱々のラテのおかげで手は温かい。 エンジン音を静かに響かせ、新たな住処へと車を走らせた。 「ここは一年中雨なの?」 「ほとんど、ね。」苦笑いしながらリアが答えた。 「でも曇りや、本当にときたま晴れるときもあるのよ。」 「ときたま、ね。」窓の外に視線を走らせる。 「すぐに慣れるわ。」 だといいけどねと、小さく呟いた。 .
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