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どこの家にも朝は来る。それは吸血鬼とて同じ事。
幻想郷に住まう者が学園に通うのも然り。
「日差しがこうも気持ちの良い物とはね」
「紫様に感謝ですね、お嬢様」
湖の畔に建つ紅魔館のテラスで、紅魔館の主レミリア・スカーレットは朝日を浴びながら朝食の時間を過ごしていた。
本来、吸血鬼は日に当たると体が蒸発を始め、最終的には灰になって消えてしまう。
しかしコレは熱が原因では無く、最たる原因は紫外線だ。
だが幻想郷のスキマ妖怪にして学園の長である八雲紫の計らい。
もとい都合により、紫外線等諸々を遮断する結界を幻想郷全土に張り巡らせた。
結果、早朝、真っ昼間。日が昇っているにも関わらず、吸血鬼が日傘もささず外を歩き回るという奇妙な光景が見られるようになった。
「咲夜、フランは?」
「今、美鈴が起こしに行ってます」
「そう」
朝日を浴びながら紅茶を啜るレミリアはどこか満足気だった。
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