聖夜の一時

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そう思いながら帰宅する準備をし終える 「すみません、先に失礼します」 「お疲れ」 「ご苦労だったな、輝、後忘れ物だ」 マスターに渡されたのは1ホールのケーキ 俺が作ったケーキで、せめて奈々に渡そうか何だが…もう遅いし 持って帰っても1人じゃ食べきれないしな… どうせ…あの人は帰って来ないし 「すみません忘れてました、それじゃ、有難う御座いました」 店の扉に手をかけようとした時、向こう側の扉がゆっくりと開いた 「うわ…!」 いきなりだったから少し驚いてしまった 「…奈々?」 扉の先に奈々の姿があった 「ひゃ…く…黒沢」 俺だけでは無く奈々も驚く 「ど…どうしたんだよ、ここまで来て?」 とりあえず俺は、何故、奈々がここにいるか聞いてみた 「どうしたって…あんた今日…連絡してくれなかったからよ、こっちから電話とか掛けてたのに不在着信になってて…」 不在着信? 奈々の言葉に俺は携帯を開く 着信履歴3件 メール5件 …全て仕事中の時間帯だった
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