1人が本棚に入れています
本棚に追加
~第三章~
ドリー「で、サリー…レオンティウスは何処にいるの?」
サリー「この先にある村をこえたところよ…でも、そこに行くには…」
ドリーとサリーの前方に底がかろうじて見える程度の深い谷が現れる。
サリー「あれをこえなければいけないの…」谷にはボロボロのつり橋が一つかかっていりだけである。
ドリー「うゎ!凄い深いね…いつもこんなの渡ってるの?」
サリー「いつもは、レオンティウスが空を運んでくれたから…それに家は逆だから渡らなくてもよかったの…」
ドリー「悪者がねぇ…」
ドリー『意外と優しい所あるじゃん…』
サリー「まっ、運んでくれたのは、優しいんじゃなくて、私が怖がって、いっこうに渡ろうとしないからだと思うけど…」
ドリー『前言撤回!』
サリー「でも安心して今回はちゃんと渡るから…」
ドリー『足震えるくせに強がっちゃって…』
ドリー「サリー…手つないで渡ろうか?」
サリー「ドリー…ありがとう。」
ドリー「いいゆっくりいくから、ちゃんとついてきてね。下見ちゃ駄目だよ。」
サリー「うん。」
二人はつり橋をゆっくりと渡り初める。
ギシ、ギシ、ギシ、ギシ
風でつり橋が揺れる。
サリー「きゃっ!」
ドリー「大丈夫、私がついているから…」
ドリー『何か嫌な予感がする…』
ブチッ
つり橋のロープが一本切れてつり橋が傾く。
サリー「きゃっ!」
ドリー「きゃっ!サリー大丈夫?早く渡らないとヤバイかも!!」
サリー「うん…わかってるんだけど、足がすくんで動けないの…」
ドリー「サリー私におぶさって!!」
サリー「ありがとうドリー。」
ドリーがサリーをおんぶする。
ドリー「よいしょっと。」
ゆっくりとつり橋を渡り初める。
サリー「ドリー!あれっ!」
サリーが指を差す。
ドリー「何、サリー?しっかりつかまってないと危ないでしょ。」
サリーが指差した方を見る。
すると、反対側のロープがちぎれかかっている。
ドリー「やばっ!!あれがきれたら。私達、この崖にまっ逆さまだよ。」
サリー「ドリー!私を置いて早くいって!」
ドリー「前も言ったけど、仲間を見捨てる気はないわ!」
ドリーはそう言ってまたゆっくりとつり橋を渡り初める。
サリー「ドリー…」
ブチッ!
もう一本のロープが切れてつり橋が崩れる。
ドリー「落ちる!」
サリー「きゃっ!」
が、ドリーとサリーは間一髪でロープを掴んで宙ぶらりん状態になる。
最初のコメントを投稿しよう!