同級生

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「由美香は職場の後輩だった。気立ても好いし頭も佳い。第一器糧が在る。プロジェクトが成功したのもその甲斐も在ったと想う。」と勝手に舞い上がる。噺は続く。ただ…と口籠もったぎり噺が留まった。零が噺を促す。 「只、由美香おかしいんだ」 「どうせどっかでハッソルしてんのかもな…。否、冗談だ」 零が斬って仕舞った。田所はまた黙る。 流石にこのままでは気を違えかねない。恐らく田所の脳内は活発に機能して居るに相違ない。アルゴリズムとやらでも解析に執り懸かる如く、俊巡して居るのかも知れない。そして、何時の間に逢着したのか。突如突かんして来た。そんな訳は無いと憤慨する。 そこへ、更に二人の女が店内に着席した。当時、中学では生徒会長をやっていた城咲楓と剣道部のエースだった沖田京子が真横の席に陣を構えた。序でに注文を済ませて乱入する。零は煙草に火を就けて当時の或事件を想い出した。 二年の夏に突如、華やかになって居た。迷わず零は二人揃って、ひと夏の大冒険をやってのけたのだと探偵した。事実に二学期の初日に自慢して居た。 零は世も末だ、馬鹿気て居ると呟いた。京子は無闇にテンションを揚げて領地を拡大する。
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