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小中高と進むうち、ナリは別な意味で問題児になって行った。
非行ではなく精神的に病んでいき、不眠症を発症。学内ではいじめの的となり、中学で睡眠薬の世話になり始めた。
それでもナリは家族に何も言わなかった。
年の離れた弟妹の多い家庭にはナリの気持ちを聞く余裕など微塵も無かったのだ。
ナリは家庭では「よく出来る長女」を演じていた。その仮面を取る事は決して許されない事だった。
そしてナリ、高校2年。
菜の花が咲き乱れる春の終わり頃。
祖母が、死んだ。
ナリの事を唯一可愛がっていた祖母が病気で死んだ。
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