少年と新たなる始まり

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 大和の希望クラスは文系。  元々社会が得意で理科が苦手だったり、数学が苦手で国語が得意だったりしたために、この選択はまあまあ無難と言えよう。  もっともこの苦手を克服するために理系を選ぶといった選択もあったのだが、そこまでして苦手を無くそうという意欲も、自分を磨こうというやる気も毛頭なく、学校から封筒が届いた瞬間に『文系』を選択したのは今となってはいい思い出である。  因みに、文系クラスは一から五、理系クラスは六から十一とわかれているのだが、文理共に特別クラスなるものが存在する。  そのクラスは、毎年文系は二年五組、理系は二年十一組と決まっており、一年の時に優秀な成績を修めた者が三十余人ほど選抜され、始業式の日に発表されるというしくみである。
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