序章

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 彼女と呼べる代物はいない。  実のことをいうと、今までそのような関係の女子を持ったことは一度たりともない。  告白などされたことは何度かあったが、全て断った。  理由はない。  ただ好きになれなかっただけである。  今のところ頭を抱えるような事態も起きてなければ、そのような兆候もない。  強いて言うのであれば、三日後に控えている実力試験だろうか。  まあ今回に限っては勉強もしているし、そんなに慌てることもないであろう。  今日だって、始業式が終わった後に、青柳や栗生と遊ぶ予定をつくる余裕さえあったのだ。
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